本日は都立高校一次・分割前期の合格発表・手続きの日です。3年生の朗報を期待したいところです。とはいえ一番大切なことは、現実を受け入れて前に進む、ということです。以前にも伝えたことですが、「決まった進路先が最良の進路先」なのです。進路選択をしてきた中で、十分検討を重ね、合否の場合を予想して決定したはずです。何かの縁があって決定した進路先を、本来の希望ではない、とくよくよしても仕方ありません。割り切って考え、この先をどうしていくかを考えた方が得策です。
1年生の港区の国語教科書で故事成語について学習するはずです。資料集などで学んだかもしれませんが、表題の「(人間万事)塞翁が馬」という言葉があります。故事成語自体、中国の故事にちなんだ言葉ですので、故事を知らないと言葉と意味がまるで結びつきません。「塞翁が馬」とは、広辞苑では次のように掲載されています。「塞翁の馬が逃げたが、北方の駿馬を率いて戻ってきた。喜んでその馬に乗った息子は落馬して足を折ったが、ために戦士とはならず命長らえたという故事。人生は吉凶・禍福が予想できないことのたとえ。」(淮南子・人間訓)
今悩んでいることや、思い通りにいかないと悲しんでいることが、長い目で見ると素晴らしい成長や幸運に結びつくかもしれません。また、進路が早く決まったことが、油断した気持ちを招いて新しい環境でつまづくかもしれません。さて、団体戦に臨んでいる3年生たちはどう乗り越えていくのでしょうか。
学年末考査最終日、明日は都立高校一次・分割前期合格発表・手続です。生徒にとっては、もう少しの辛抱、という一日でしょうか。
本日の給食は、給食だより・献立表でご案内の通り、
ちらしずし 菜の花のすまし汁 ほうれん草のごま和え 白桃ゼリー
というひな祭り献立です。3年生の給食が3/2・3/3(卒業遠足)にないため、栄養士が配慮して本日実施します。刻みのりが加えられる春らしい内容です。緊急情報でお知らせの通り、東京都・港区からの通知で、食の安全が確認できたため、予定通り実施します。安全に配慮するのは言うまでもありません。
学年末考査が全校で始まりました。一年間の学習のまとめとなる大切な試験です。当たり前ですが、みんなまじめに受験しています。
三年生の皆さんは都立高校学力検査に続き、試験続きです。本校では授業時数確保のための工夫として、試験前の一時間を少人数指導実施教科の補充として復習プリントを作成して学習を行っています。
また本日は校長会を通じて慶應義塾大学からの依頼で、研究プロジェクトで開発・利用しているテスト項目を含んだ調査の実施に協力しました。全校で、20分間で国語と数学のテスト形式の問題に取り組む時間を朝の学活後に設定して、学習しました。
「日本子どもパネル調査」(JCPS)で使用している学力テスト項目間の等化のために、ブリッジ問題として利用予定」とのことです。今後慶應義塾大学とは連携を深めていけるとよいですね。
本日は都立高校一次・分割前期学力検査です。今頃、受験生の皆さんは緊張した面持ちで試験会場に向かっているでしょう。遠くからエールを送ります。答えに迷ったらテレパシーで励ましたいです。健闘を祈ります。
月・金は昼トレタイムの体育館で、毎日の校庭で、男女問わず元気に遊ぶ高陵の生徒たちです。転入生もさっそく一緒に遊んでいて、受け入れる周囲の生徒にも感謝したいです。校庭での球技はサッカー禁止・キック禁止です。周囲の様子を考えてルールを守るのも大切です。だからこそある程度安全な遊びが成り立ちます。体育館では昼トレタイムで球技を順番に実施しています。これもまた微笑ましい様子です。校庭の向こうには六本木ヒルズ森タワーが望める高陵ならではの光景です。


明日2/24(金)は都立高校一次・分割前期学力検査です。いよいよ正念場、という生徒も多いはずです。三年生諸君の健闘を祈るばかりです。体調を整えて、明日に備えてください。
また、午後から学校保健委員会を実施し、本校学校医の皆様をお招きしてご意見を伺います。
本校保健主任と学校栄養士が、今年度の健康診断結果と保健室の理由状況や、給食及びアレルギー対応について報告します。また、テーマを決めて皆様と協議する予定です。
「最近気になる病気やけがの対応について」これは確かに興味深い内容です。
290222学校保健委員会.pdf
先日紹介した「防災ノート活用促進月間」での防災標語コンクールの本校生徒作品が、のぼりになりました。学校に届きましたので、先日から校門入口と生徒昇降口に掲出しています。1-3ISさんの作品です。さすがの標語です。震災時には訓練の経験がカギとなりますね。

報告事項
入学予定小学生・保護者説明会 2/18(土)14:00-15:00
64世帯、100名を超える参加者があり、盛況に終わりました。新入生数は、学校運営に関わる大きな要素です。本来なら地域の子どもを受け入れて、手厚い教育ができる小規模校が良いのです。ただし、学校は生徒数によって教職員の定数が定められていますので、重大な問題です。勤務年数の上限等が相まって異動があり、限られた条件から学校の体制を整えねばなりません。
本校は11/7現在、港区教育委員会発表の「学校選択希望集計表」によると、通学区域内の入学予定者数137名、通学区域外からの希望者数78名の合計215名です。ところが何年かさかのぼってみても、38-39%しか高陵中に進学せず、進路を私立中等に決めるようです。いかにも地域がらという傾向です。せっかく「高陵アカデミー」として小学校と連携しても、継続性が希薄になるのです。
それだけに、進学先として本校を選択してくださった皆様は、思春期の子どもを育てる同志とも言えます。その同志の皆様に向けて、このたび「校長あいさつ」を更新しましたので、詳細はそちらをご覧ください。さて、新年度をどのような編成で迎えても、保護者・地域の皆様のご協力をお願いするしかありません。
ちなみに新入生が81名を超えると晴れて三クラスとなり、71~80名だと中学一年次のみ三クラスで二年からニクラスとなります。現在の本校一年生は74名の在籍ですから、8名の転入生が現れない限り、来年度はニクラス編成となります。つまり今年度一クラス当たり25人編成が、来年度は37名となるのです。人数が12名も増加する学級担任の負担は計り知れなく、生徒の自覚と、保護者の皆様の一層のご協力が欠かせません。
財務省は一刻も早く、文部科学省の予算要求を認めて、35人学級を実現させないと、国が滅びてしまいます。ブラック化する教員の勤務状況は、個人の努力の範囲を超えています。日本の行く末は、身近な問題に結びついているのです。
2/17本校で東京教師道場 部員による公開授業が行われました。
東京教師道場とは、将来有望な教科指導に熱心な若手教員を東京都に推薦し、2年計画で指導者のもと、指導技術を磨くグループ研修を行う制度です。部員による公開授業は2年次の終わりに行い、全都と勤務校の地域保護者にも授業を公開し、成果を公表するものです。普段の指導教官と研究仲間は参加せず、協議会まで設定して成果を共有するため、高陵アカデミーの小学校にも参加をお願いしました。また、英語の実践家として全国的に名高い赤坂中学校主任教諭 北原延晃先生を講師に迎え、足立区、葛飾区、町田市等からも参加者が集まって協議を行う機会となりました。
公開授業では本校英語科 谷田から、ほぼオールイングリッシュで構成され、ビンゴやチャンツ、NTとのティームティーチングで進行するのは日常のまま実施し、生徒が英語で疑問文を思考するための指導が提案されました。「YesやNoで答えられない疑問表現<疑問詞>」がテーマです。生徒たちは自分の背中に貼ってある人物を、友達とのコミュニケーションの中で全て英語で考え、尋ね合う学習活動を行いました。生徒の表情や感想からも、大変充実した様子が伝わってきました。成果と課題について改めて確認します。
協議会・講演は私(校長)にも大変有意義で、勉強になりました。また後日。
「人権問題体験学習会」として、ボッチャ体験・講演会を計画いたしました。年度途中ながら東京都人権啓発センターのご支援を得て、決定いたしましたのでお知らせします。全校の生徒たちに、プレゼントになれば幸いです。人権教育の一環、また、オリンピック・パラリンピック教育の一環として、障害者スポーツ交流の機会を設定します。
機会をいただいた計画は以下の通りです。
日時 平成29年3月9日(木)13:35-15:25
会場 本校体育館
内容 ボッチャの体験や現役選手、コーチによる講話を通して、子どもたちが障害者の人権について考えるための機会を提供する。競技を始めた経緯や日々の生活で感じる思いなど、講話を中心に展開。代表生徒が競技を体験し、また選手・コーチと交流できる時間(質疑応答など)を設ける。
講師 藤井 金太朗 様(JAPAN強化指定選手BC4クラス)
蛭田 健一郎 様(日本選手権ベスト8 BC2クラス)
佐藤 勝枝 様 (東京ボッチャ協会副会長)
先日参加した港陽中の研究発表会の講師は、アテネパラリンピック視覚障害クラス男子マラソン金メダリストの高橋勇市 様でした。パラリンピック優勝タイム2時間44分24秒という素晴らしい記録の陰にあった苦労の数々は、大変重みがありました。持たせてくださった金メダルの重みと同様に。高校時代に病気を診断され、二十歳で失明するとの宣告に自暴自棄になった日々、失明後のマラソン挑戦のきっかけ、伴走者とのトレーニングなど、エピソードに事欠きませんでした。海外では、どこに行っても白杖の姿に声をかけてくれたり、地下鉄に乗ればあちこちから席を譲るために服をつまんでガイドしてくれたり、との話は、考えさせられました。「日本の鉄道車内で、いまだに席を譲られたことがない、本当はトレーニングのために立っていたいけど、この年になっても席を譲ってもらった経験がない」とのことでした。来る2020東京オリンピックパラリンピックには、障害者に対する意識は進歩できているのでしょうか。少しでも助けになれるよう、心を育てる教育に努力したく存じます。
私自身、亡父が視覚障害者で、幼いころの葛藤は辛いものがありましたので、苦労が身につまされます。講師が、「親族に障害者がいる人は?」との問いかけに素直に挙手できたり、事実を隠さず口にできるようになるまで、だいぶ長い時間がかかりました。日本では、視覚障害者の鉄道ホーム転落死事件が後を絶ちません。差し伸べてくれる手や声や心があれば、防げるものです。亡父の時代は、外出すらためらいがちでしたが、少し時代が変わりました。とはいえ、席を譲らない現実があります。正しい認識が、違いを認めるという基本に立ち返り、生徒たちに機会を作ります。
3/9に保護者・地域の皆様も、どうぞご参加ください。席を用意してお待ちしております。
3年生たちへの励ましは、繰り返し伝えてきたことです。保護者の皆様にも繰り返しお願いしなければならないと痛感していることは、「受験は団体戦」という認識です。公立中学校では常識であるこの言葉は、本校においても強く意識していただきたいことです。
朝礼などで「当たり前のようですが、ここに参加しているのは貴重なこと」と出席している生徒を称えています。本校の朝礼では整然と整列し、静かに話し手の内容に耳を傾け、聞いて反応する生徒の姿が見られます。当たり前のようで素晴らしい資質なのです。重ねて当たり前のようですが、出席自体に大変価値があります。学校へ送り出していただいている保護者の皆様のご協力に感謝いたします。
校長会で抗議を申し立てることを検討していますが、一部の塾では、合格実績を上げるために、学校を休んで受験に集中せよ、と公然と指導するとのことです。インフルエンザが流行する季節に、受験教科ではない時間がある学校の授業は短期的に必要ないかもしれません。しかし、中学校は義務教育であり、高校入試のために自己の都合を優先させることが、人格の完成を目指す教育の理念に反していることを考えていただきたいのです。これからの時代に求められる人材が、将来にわたって自己の都合を優先させる「学習」をすることは正しいことなのでしょうか。自己優先の考え方が全体に波及する恐ろしさは、右へ倣えで日本的なのかもしれませんが、断じて容認できません。本校の課題として、これからも継続して繰り返し、ご協力をお願いしてまいります。
公立中学校として、「受験は団体戦」であることを保護者の皆様に改めてお願いします。仲間や先生に支えられて励ましあってきたことの価値を感じながら、試験問題に向かう方が、力を発揮できるはずです。進路の決定が人によってバラバラのこの時期、自分以外のみんなの気持ちを考えながら我慢する心は、今しか鍛えられません。ぜひそれを乗り越えて、最後の一人の進路が決まるまで、励ましあってほしい、そう願います。3年生には直接伝える機会を先日もらいましたが、長い人生の中で挫折を味わい、うまくいかなかったときには、あきらめない心が頼りです。誰かのせいにしないで自分で乗り越えないといけないのです。そこには道が支えてくれた人がいて、努力する自分がいる、日常の生活の先に開ける将来を信じて、団体戦に臨ませてください。
報告事項
全校朝礼の校長講話の続きです。内容を加筆し、生徒により詳細が伝わってくれることを期待しております。
今年度、校長会人権教育担当のため、区内のみならず都内外さまざまな機会に私自身研修し、認識を新たにしたことが多くありました。「正しい認識」「違いを認める」という基本に沿って、周知に努めたく存じます。
差別という感情の根深さは、人間の性(さが)なのか、現代にも被災児童・生徒に対する心無い仕打ちがニュースになることがあり、悲しくなります。どのように温かい心を育てていくべきなのか、家庭・地域と学校が話し合い、共有していく機会が必要ではないでしょうか。
正しい認識、という点では、二学期に国立ハンセン病資料館・国立歴史民俗博物館での例を生徒に伝えました。先週の都教委・人権教育推進校 芝浦小学校の研究発表会で講演があったハンセン病への認識は、伝えたいことの一つです。ジブリ作品「もののけ姫」の中にも、患者の姿が描かれていますが、作者・宮崎駿は資料館近くの在住だった縁があり、ハンセン病への理解者として、メッセージを発しているのです。かつて「恐ろしい伝染病」「治らない」といった誤った認識が隔離政策を招き、極めて弱いらい菌の感染力と特効薬の発明が知られることはありませんでした。いわれなき差別で人権が無視された歴史を中学生に伝えることは、価値あることではないでしょうか。元患者の皆様が、資料館近くの「多摩全生園」敷地の森を守り、地域住民と交流して後世に伝えていく努力をしている重みを、何とか知らせたいものです。最近ですら、関係団体宿泊拒否のホテルがあったこと自体、正しい認識の大切さが周知されるべきことを表しています。人類という種は、差別という卑しい心から脱出できないのでしょうか。次代を担う中学生たちに託す前に、まず大人から行動しないといけません。
本校生徒会企画の「ほめーる」の取り組みは、心温かな実践です。発想も、継続しているところも価値があります。素晴らしいと感心させられます。
報告事項
2/13(月)の全校朝礼で話しました内容に加筆して、改めて人権教育についての話題をお知らせします。
先週は各校の研究発表会や、人権教育に関係する会議や研修が重なり、心動かされることの多い週でした。本校では人権標語の作成にも取り組み、日常からさまざまな機会で人権を尊重する教育を行っています。とはいえ、私自身が教員として認識を新たにしたり、かつての自分になぞらえて反省したりすることは、恥ずかしながらいまだにあります。校内でも十分周知していますが、教員に助言する機会も同様です。また、保護者・地域の皆様にもご協力をお願いすることでもあります。偏見・差別を解消していくために人権感覚を養う重要な視点は、「正しい認識」と「」違いを認める」ことです。それを伝えていくのは、学校の使命です。
例えば、LGBTについて、生徒に知っている言葉であるか、朝礼講話の中で聞いてみたところ、3年生から多くの挙手がありました。正しく認識できていたら大変うれしいことです。LGBTはセクシャルマイノリティ(性的少数者)を意味する言葉で、この問題で現在悩んでいる人の割合は7.6%いるとされ、13人に1人が該当します。先日私が参加した研修では、3人の若者が、それぞれ心と体の不一致に悩んできた体験を語っていました。真面目に社会や家族との接点を考え、前に進もうとしている姿に心打たれるものがありました。私自身、かつての教え子からカミングアウトされたことを思い出し、重ね合わせて感慨深く聞き、生徒たちに伝えていくことの大切さもまた痛感したのです。
もう10年以上も前のある日の放課後、当時の勤務校に一人の卒業生が訪ねてきました。担任をしたわけでもなく、授業を担当していたわけでもなかった生徒でしたが、連合行事や日常の中で言葉を交わしていたのを懐かしんで会いに来たと言っていました。久しぶりに会ったのですが、私が知っている姿とは様子が変わっていました。「ところで、何かあったの?」と聞いてみるとその卒業生は、女性の体に生まれたが、男性の心を持っていたことについてとつとつと語り始め、長いこと悩んでいたことにけじめをつけ、家族や周囲の理解を得て、自信を持って本来の自分として生きていくことにした、ときっぱりと決意を述べて結んだのです。私にまで話してくれたことに礼を言い、励まして別れた時からすでに長い時間が過ぎました。語ってくれた重みに対して、心の葛藤への理解を広めていく努力を、教員としての私は十分にしていたのか、と自問自答したのです。
公立学校の使命とは、生徒たちの多様性を認め、励まし、育てていくことです。しかし、なかなか十分には対応しきれないことも数多くあります。それでも、違いを認めていくことの基本は忘れずにありたいものです。生徒にはさまざまな相談機関の資料を配布済みです。もちろん、直接相談できる環境が本校にはありますので安心してください。