校長あいさつ

歴史の転換点にある現在に                     

 

校長 平川 恒美
 

 ここ一か月での社会の激動ぶりは、まさに歴史の転換点にあろうかと考えられます。国・東京都・港区の方針の下、生徒・保護者・地域の皆様の健康と安全を優先して、教育活動を進めてまいります。新型コロナウイルスへの対応が必要な中、学校運営を継続できることとなり、改めて職責の重さを肝に銘じていく所存です。今年度もご支援の程、どうぞよろしくお願いいたします。
 生徒・保護者の皆様においては、この一か月の間の臨時休校の期間に、学校の存在意義を改めて認識していただけたのではないでしょうか。生徒たちが教職員と時間と空間を共有しながら、共に教育活動を創り上げていく場である学校が、本来の目的を達成しがたい状況になっています。特に、新入生においては、小学校卒業と中学校入学という大きな節目に、体験させたかった集団での学びの場が確保されませんでした。もちろん在校生も、別れと出会いの儀式を体験させられなかったことは残念です。しかし、健康と安全を優先すべきは言うまでもなく、様々な意見がある現在ながら、のちの歴史が評価をくだすことでしょう。生徒たちへ提供する学習の機会の提供についても、道は必ず開けます。今後とも皆様からご意見をいただきたく、社会に開かれた学校を目指して、皆様との連携を重視します。港区教育委員会の指針に則り、当面の課題に対応しながら、できる道を見つけ出していきたく、ご理解ご協力の程お願いいたします。
 さて、本校はお陰様で生徒数がここ五年間で増加し、本年度は令和初めての新入生を迎える中、学級増の年です。新入生の出身小学校は11校、高陵アカデミー小学校からの進学者は、3割に満たないことが続きましたが、今年度は56.1%となりました。学校全体での多様性の拡大は進行し、その分課題も多様化しています。地域性からの国際理解教育だけでなく、特別支援教育、性的少数者への配慮など、東京2020オリンピック・パラリンピック教育や人権教育、また「特別の教科道徳」を全体計画に関連させて取り組んで参りました方針は継続します。また、中学校での新学習指導要領全面実施まであと1年に迫る中、変更となる評価の観点を皆様に情報提供し、信頼される評価の在り方について校内研究に取り組みます。
 さらには標準服の見直しを進め、詳細の決定まであとわずかです。社会に開かれた学校づくりを進め、令和3年度に控える開校70周年に向けて準備を進めてまいり"ます。私がよく引用する中央教育審議会(平成二十八年十二月二十一日)の答申の一節は、あふれる情報や刻々と変化する状況への対応の指針として見直しておきたい内容です。インターネット上や様々なメディアから、何を選別していくべきでしょうか。教職員の志として学校での学習の在り方を以下のように述べています。
  「解き方があらかじめ定まった問題を効率的に解いたり、定められた手続を効率的にこなしたりすることにとどまらず、直面する様々な変化を柔軟に受け止め、感性を豊かに働かせながら、どのような未来を創っていくのか、どのように社会や人生をよりよいものにしていくのかを考え、主体的に学び続けて自ら能力を引き出し、自分なりに試行錯誤したり、多様な他者と協働したりして、新たな価値を生み出していくために必要な力を身に付け、子供たち一人一人が、予測できない変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、自らの可能性を発揮し、よりよい社会と幸福な人生の創り手となっていけるようにすることが重要である。」
 新学習指導要領では、「授業の創意工夫や教科書等の教材の改善を引き出していくことができるようにするため,全ての教科等の目標及び内容を『知識及び技能』,『思考力,判断力,表現力等』,『学びに向かう力,人間性等』の育成を目指す資質・能力の三つの柱で再整理」されました。実は令和2年3月26日に、国立教育政策研究所から「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料」が発表され、現場にまた一歩具体的な内容が示されています。さて、『学びに向かう力,人間性等』をどのように評価すべきか、生徒と保護者にどのように説明すべきか、今年度の校内研修の主題として研究を進めます。
 来るべきSociety5.0〔サイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムにより、 経済発展と社会的課題の解決を両立する、 人間中心の社会(Society)]に向けた人材育成は、この新型コロナウイルスへの対応の中で、むしろ価値が明確化していくのではないでしょうか。答えのない課題に対して、対応していくかは、人類の英知にゆだねられています。中学生たちが成長して社会の根幹となる時代へ、歴史転換点である現在の状況は必ず良い事例となるでしょう。学ぶ力をどのようにつけていくか、皆様と意見交換を重ねたく、ご支援をお願いするばかりです。" 。

 本校を会場に中学校国語科の授業改善のための全国大会が行われました。(令和元年11月14日(木)六本木ヒルズ・ハリウッドプラザ  11月15(日)(金)本校教室 )
主催 全日本国語教育研究協議会・全関東地区中学校国語教育研究協議会・東京都中学校国語教育研究協議会
後援 文部科学省・東京都教育委員会・港区教育委員会・公益財団法人日本教育公務員弘済会
 本校生徒たちが東京都を代表する国語科授業指導を体験しました。貴重な機会となりましたこと、生徒たちは積極的な参加を見せて健闘したこと、報告いたします。受付業務、会場案内などご協力いただきました保護者の皆様、誠にありがとうございました。
全中国研・研究紀要表紙.pdf