校長あいさつ

新しい力を得る季節に
                       校長 平川 恒美
 平成最後、そして新元号「令和」の初めの年度を迎えます。始業式に臨む進級した2,3年との再会、入学生との入学式での出会いを楽しみにしていました。入学式への多数のご来賓の皆様の臨席のもと、穏やかに実施できたことは誠に喜ばしく、ありがたいことです。ご挨拶までいただいた港区教育委員会教育長 青木 康平 様はじめ、ご来賓の皆様方に厚く御礼申し上げます。PTA会長三浦様の祝辞でのメッセージは「かっこよく生きろ」で、見た目でない行動の美しさを追求すべきことを伝えてくださいました。
 在校生はそれぞれ進級し、新入生の皆さんは伝統ある高陵中学校の一員となり、中学生としての第一歩を踏み出します。今年は十七の小学校から86人の新入生が集まりました。2年生は二十三、3年生は十七の小学校から本校を選んで集まった多様性を有する生徒集団です。いろいろな個性が存在する中で、共有すべきいくつかのキーワードが必要です。
 新年度は良い意味で過去をリセットしてください。今日から友達や先生方との組み合わせが新たな新しい環境で過ごします。義務教育の後期である中学校の三年間は、あっという間です。心身ともに成長の度合いは加速的です。この時期には、さまざまな葛藤があって当然です。周囲の友達や先生、そして保護者の方々との距離感を、いわばぶつかり稽古をして学びながら、成長します。その過程には、先が見えない将来への不安や、やってみなければわからない壁が存在します。自分を納得させるためには、その壁を乗り越えないといけません。わざわざ苦労してこそ学校生活の価値があります。
 学校はサービスを提供する場でなく、我慢を学ぶ場でもあります。生活の中では、時間と約束を守るのが基本で、その中で共有する時間と空間に価値があります。将来に開けている新しい時代を生きていくために必要な要素は、多様な個性を持つ公立中学校での時間と空間の中で育まれます。
 心温かく意識高く、生徒と共に成長している教職員と、素晴らしい校舎・設備が生徒たちに用意されています。その環境の中、新しい時代を拓く学習指導要領の実現を目指します。港区学校教育推進計画での目指す人間像は《生涯を通じて夢と生きがいをもち、自ら学び、考え、行動し、未来を創造する人》です。その実現のため、本校では、例えば全校で一往復半の言語活動を実行しています。授業はしっかり聴いて受け止めるだけでなく、疑問な点を他と交流する思考を伴う学習を大切にしています。また様々な発表場面で、原稿を読み上げるのでなくメモで話すよう指導されます。公式な見解や時間が決められた発表以外は、聴いた内容に対して反応することが大切です。
  そして、公立中学校でありながら、都内でも有数の恵まれた学習環境が用意されている本校で、将来へつながる貴重な三年間を充実させることを期待しています。さらに地域の学校として活動する、家庭や地域、高陵アカデミーの幼稚園・小学校との連携では学校外との結びつきを感じられることでしょう。また、今年度は中学校国語教育の全国大会が本校で予定されています。指導方法改善のための提案が、生徒とともに本校から全国へ発信されます。
 さて、入学式で新入生に贈ったメッセージは、「新しい時代を切り開け」でした。これは在校生にも共通することで、変化の激しい時代に対応していくために、人としての生き方、学びの在り方の基礎・基本を学ぶ場が本校と考えると良いでしょう。新入生の皆さんは、二年後の創立七十周年の記念の年に、三年生として活躍が期待されます。しかし、中学校生活を充実させられるかは、君たち自身にかかっているのです。でも大丈夫、在校生の姿が何よりの証拠です。時間と空間をともに過ごした重みが、それぞれの姿に投影されています。さらに新入生、教職員の新しい力を加え、一緒に成長できるようがんばりましょう。
 在校生の皆さん、新入生の皆さんをよろしくお願いします。新入生の姿を見ると、在校生の皆さん自身の成長を実感できるのではないでしょうか。本校で過ごしてきた重みを、今のような立派な姿で、様々な機会に見せてあげてください。保護者の皆様、ご来賓の皆様にお願いがあります。公立中学校である本校は、皆様のご理解・ご支援なしには成り立ちません。本校教職員一丸となって教育活動に当たります。人材育成のために、ぜひご意見をお寄せいただき、学校の改善のために、また生徒の成長のためのお力添えをお願いいたします。