学校ブログ

受験は団体戦

2017年2月17日 08時00分

 3年生たちへの励ましは、繰り返し伝えてきたことです。保護者の皆様にも繰り返しお願いしなければならないと痛感していることは、「受験は団体戦」という認識です。公立中学校では常識であるこの言葉は、本校においても強く意識していただきたいことです。
 
  朝礼などで「当たり前のようですが、ここに参加しているのは貴重なこと」と出席している生徒を称えています。本校の朝礼では整然と整列し、静かに話し手の内容に耳を傾け、聞いて反応する生徒の姿が見られます。当たり前のようで素晴らしい資質なのです。重ねて当たり前のようですが、出席自体に大変価値があります。学校へ送り出していただいている保護者の皆様のご協力に感謝いたします。
 
    校長会で抗議を申し立てることを検討していますが、一部の塾では、合格実績を上げるために、学校を休んで受験に集中せよ、と公然と指導するとのことです。インフルエンザが流行する季節に、受験教科ではない時間がある学校の授業は短期的に必要ないかもしれません。しかし、中学校は義務教育であり、高校入試のために自己の都合を優先させることが、人格の完成を目指す教育の理念に反していることを考えていただきたいのです。これからの時代に求められる人材が、将来にわたって自己の都合を優先させる「学習」をすることは正しいことなのでしょうか。自己優先の考え方が全体に波及する恐ろしさは、右へ倣えで日本的なのかもしれませんが、断じて容認できません。本校の課題として、これからも継続して繰り返し、ご協力をお願いしてまいります。
 
   公立中学校として、「受験は団体戦」であることを保護者の皆様に改めてお願いします。仲間や先生に支えられて励ましあってきたことの価値を感じながら、試験問題に向かう方が、力を発揮できるはずです。進路の決定が人によってバラバラのこの時期、自分以外のみんなの気持ちを考えながら我慢する心は、今しか鍛えられません。ぜひそれを乗り越えて、最後の一人の進路が決まるまで、励ましあってほしい、そう願います。3年生には直接伝える機会を先日もらいましたが、長い人生の中で挫折を味わい、うまくいかなかったときには、あきらめない心が頼りです。誰かのせいにしないで自分で乗り越えないといけないのです。そこには道が支えてくれた人がいて、努力する自分がいる、日常の生活の先に開ける将来を信じて、団体戦に臨ませてください。